こちらのページでは縦書きのスタイルシートを指定しています。表示確認は「InternetExplorer(Windows)」「Edge(Windows)」「Chrome(Android,Windows,iOS
※)」「Safari(iOS)
※」にて行っております。
※iOS版Chromeでの表示につきましては、「PC版サイトを見る」モードでは縦書き表示部分の行間調整タグが効かない為レイアウトが崩れてしまいます。メニューより「モバイルサイトをリクエスト」にてご参照ください。
※iOS標準搭載のブラウザであるSafariでの表示は可能ですが、縦書き表示部分の行間調整タグが効かない為レイアウトが崩れてしまいます。何卒ご了承ください。
一般チャットで行われた実際の「オンライン☆わたてにんぐ劇場」のチャットログはこちらから。
→
公演会開始前、集合時の様子 ~ ご歓談 ~ 血盟チャットによる打ち合わせ
→
オンライン☆わたてにんぐ劇場 「プレシャスな日常!」 チャットログ01 ~ ご感想 ~ 血盟チャットによる打ち合わせ
→
オンライン☆わたてにんぐ劇場 「プレシャスな日常!」 チャットログ02 ~ ご感想 ~ 血盟チャットによる打ち合わせ
→
オンライン☆わたてにんぐ劇場 「プレシャスな日常!」 チャットログ03 ~ ご感想 ~ 解散
スクリーンショットは種村小依さんと暁美ほむらちゃんさんが撮影したものになりますので、チャット内容や環境設定はそれぞれ基準となります。
保護者さまの反応(わたてん保護者会血盟チャット)および公開していただけた天使たちの裏方のやり取り(わたてん公演会部血盟チャット)をすべて時系列で入れ込んでおります。天使たちの微笑ましい舞台裏も含めてお楽しみください。
天使たちの舞台裏は種村小依さんが撮影されたものを、保護者さまの会話は暁美ほむらちゃんさんが撮影されたものを使用し、合成して1枚にまとめております。
今回も主に「天使たちのお友だち(保護者さま)」を対象とした即興劇を、人数制限のない一般チャット(白チャット)にて天使たちが実施してくださいました。
前回の4月の開催以来、半年ぶりとなる公演会。10月は主に以下のような天使関連イベントがありました。
・
天使の日(10月4日)
・
私に天使が舞い降りた! プレシャス・フレンズ×サンリオキャラクターズ PremiumShop開催(10月8日から全国で順次)
・
スポーツの日(10月10日)
・
私に天使が舞い降りた! プレシャス・フレンズ のサウンド・コレクションCDの発売(10月12日)
・
私に天使が舞い降りた! プレシャス・フレンズ の全国ロードショー開始(10月14日)
・
私に天使が舞い降りた! 原作単行本12巻の発売(10月14日)
・
松本香子さんのお誕生日(10月16日)
・
姫坂乃愛さん役の鬼頭明里さんのお誕生日(10月16日)
・
わたてん☆5 2ndワンマンライブ みんながプレシャス・フレンズっ!! 開催(10月30日)
このように盛り沢山であったことから「10月に公演会やりたいね」と天使たちも話していたとのこと。
また保護者さまよりいただいた以下のリクエストを入れ込んだお話にしたいとのことで、今回の公演会では主に星野ひなたさんの一人称による「天使たちの日常の風景」がテーマとなりました。
<保護者さまからのリクエスト>
・ひなたちゃんがみやこさんにダイブして起こすところから始まって、学校の様子や、みんなでみやこさんの作ったお菓子を食べて~とかのほのぼの日常を見てみたい。「みゃー姉」をいっぱい聞きたい。
・松本さんが少しでも良い思いのできる物語を見てみたい。(10月が誕生月の為)
・スポーツの日ということで運動会の様子を見てみたい。めずらしいペアでやってみてほしい。
・ハロウィンとクリスマスにむけてのお話が少し聞けたら心躍ります。
主な出席者は以下の通りでした。
わたてん公演会部:星野ひなたさん、星野みやこさん、白咲花さん、姫坂乃愛さん、種村小依さん、小之森夏音さん、松本香子さん、松本友奈さん、星野千鶴さん、ひげろーさん
わたてん保護者会:絵笛さん、えてなさん、マイちゃんさん、うらりーぬさん、ノノルさん、暁美ほむらちゃんさん、にぎろーさん
セブンス:和泉十七夜さん、梓みふゆさん、天音月夜さん、天音月咲さん、静海このはさん、遊佐葉月さん、三栗あやめさん
総勢24名でのイベントとなりました。いつもご参加ありがとうございます。
なお、まいちゃんさんが今回も公演会の内容をモチーフとしたイルミネーションアートを作ってくださり、その製作過程の記事を掲載してくださったようです。 →
新ランチャー
いつも天使たちの公演内容に合わせたイルミネーションアートを作ってくださいまして、ありがとうございます。
作品につきましてはいつも通り、乃愛さんがヴァラカスサーバにて撮影してくださいましたので本ページ下部に掲載させていただきます。
■記載ルール■
メイン記述者(進行者。今回は星野ひなたさん)が直接一般チャットに地の文を書き、他登場人物は「」で囲む形でセリフを書くことで物語を紡いでいきます。
☆☆☆☆☆ イントロダクション ☆☆☆☆☆
── リンドビオルサーバのとある同盟では ──
── 気ままに天使たちが舞い降りては 一遍の物語を協力して紡ぎ 人知れず飛び去っていく──
── という噂がまことしやかに囁かれています ──
こちらの記事は「エンジェリック・ミスリル・ハーツ・フェデレーション」内「天使が舞い降りた」同盟において
天使たちの紡いだ物語を一般公開できる形で記録に残そうと考えまとめたものとなります。(天使たちの公開許可はいただいております)
「私に天使が舞い降りた!(わたてん!)」という作品世界から、こちらの世界に飛ばされてしまった天使たち。
戻る術が見つからない日々の中、お友だちの代理露店をこなしながら元気に楽しげに生活されています。
時折、突発的に始まるリアルタイムでの「物語の編纂(即興劇)」というお遊戯は、その完成度の高さ、内容の睦まじさにより
見る人に癒しと潤いを与えてくれるものとなっており、まさに【天使】のような存在となっています。
今回のメイン記述者は「星野ひなた」さん。
主なキャストは「星野みやこ」さん、「星野千鶴」さん、「姫坂乃愛」さん、「白咲花」さん、「種村小依」さん、「小之森夏音」さんでした。
私に天使が舞い降りた! 公式サイト
より、プロフィール画像はこちらになります。(コンパクトにまとめました)
──────────────────────────
── プレシャスな日常! 第一部 ──
──────────────────────────
■作品イメージタグ■
#私に天使が舞い降りた! #わたてん! #星野ひなた #星野みやこ #星野千鶴 #姫坂乃愛 #白咲花 #種村小依 #小之森夏音 #ひなノア #花みや #日常風景 #運動会 #ダイの大冒険 #大魔王バーン
■作品文体■
一人称小説
■お題■
~ 今回は省略 ~
チュン・・・ チュンチュン・・・
「ん・・・ んん ん~~~~~・・・っ はぁ」
鳥の歌で目が覚めて、おっきな伸びをする。
カーテンを開けてみると、今日もぴかぴかのいいお天気!
今日も一日、すてきな日になりそうだ!
──────────────────────────
── プレシャスな日常! 第一部 ──
──────────────────────────
01
お向かいののあの部屋を見てみるとカーテンが閉じていた。まだ朝早いからなー。
ジリジ ピッ!
目覚まし時計をカラミティエンドで瞬殺。みゃー姉起こしちゃうかもしれないからなー。いつも起こしてくれてありがとな!
パジャマをぽいぽい脱いでせっせっせっと制服に着替える。靴下も右と左間違えないようにして・・・よし、完了!
みゃー姉が私に買ってくれた青いリボンで左側の髪をまとめてから、パジャマを抱えて一階の洗濯かごに入れる。そのままリビングまですっ飛んでいった。
「おかーさん、おはよう!」
「ひなた。おはよう。今日も早いわね」
録画しておいたアニメを再生しながらおかーさんのお手伝い。二人分のサラダのお皿にレタスときゅうり、トマトを並べてテーブルに運ぶ。
おかーさんはトーストをオーブンで焼きながら、ベーコンエッグも焼いていた。今日の朝ご飯もおいしそうだ!
「いただきまーす!」
おかーさんと自分のお皿をテーブルに運んで食べ始める。
ふっくらカリカリ、とろりでおいしい!
『……あとわずか5分足らずで、あの忌まわしい地上は消えて無くなるのだ』
『…………感無量だ… さすがの余も……』
『次回 ドラゴンクエスト ダイの大冒険 「閃光のように」 ダイ冒険は続く』
「んぅ、ダイがんふぁへ!」
「食べてからにしなさいよ。 ・・・ひなたの見てるこのアニメ、深い話よね」
「ほうだぞ。んくっ 敵も味方も自分の弱さを乗り越えて成長していくところがかっこいいんだ!」
「そうね。 ・・・みやこにも見せてやりたいわ。まったく」
おかーさんもいつもこんな感じで、わたしが再生しているアニメを横で見ているから内容は分かってるみたい。
最初のころは「食事の時にテレビなんて見るんじゃないよ」って怒られたけど、「ヒュンケル対ハドラー」でクロコダインのかっこよさを一緒に見てからは何も言われなくなった。
おかーさんも私がひとりきりでテレビを見ることができるのは早朝だけって分かってくれてるみたい。よふかしするよりは朝の方がいいってことなのかもしれないけどな。
「ごちそーさま! カリカリベーコンと卵が半熟でおいしかった!」
「はーい、おそまつさま。 ノアちゃんとの待ち合わせの時間は大丈夫?」
「まだ10分あるぞ。はみがきして荷物取ってみゃー姉起こしてくる!」
とたたっ
しゃこしゃこ・・・
ぶくぶくぶく・・・ ぴゅっ
ふきふき 八重歯きらーん☆
タンタンタンタンッ・・・
息を切らしながら階段を駆け上がって、自分の部屋に寄ってランドセルを背負う。
タッタッタッタッタッ シャーーッ!
靴下で廊下をすべり込みながらみゃー姉の部屋まで最速タイムで到着!
ガチャッ ヒュバッ ダンッ!
「みゃー姉ーーーーー! おっはよーーーーーー!!」
ぼふーーーん!
「ぐほぁ・・・っ」
「みゃー姉、起きたかー!?」
「お、おはよう・・・」
「おはよー!!」
よし! しっかり起きてくれたみたい。今日もみゃー姉はきれいでかわいいぞー。
「いってきまーす!」
「いってらっしゃー・・・」
下まで駆け下りて、おかーさんに挨拶!
「おかーさん、いってきます!」
「いってらっしゃい。車に気をつけるんだよ」
家から出て5秒くらい。のあが門の前で待っていてくれた。
「のあ! おはよう!」
「あ おはよー ヒナタちゃん☆」
まぶしい朝日に照らされて、のあがとっても輝いて見える。今日もばっちりかわいいな!
のあと一緒に学校に、通いなれた通学路を歩いていく。途中ではなとこよりとかのんも合流!
「みんな、おはよう」
「おはよう! 私が六年生のこよりお姉さんよ!」
「よりちゃん、みんな六年生だよー? みんなおはようー」
「おはよー☆」
「みんな今日も元気だな! おはよう!」
今日はどんなことが待っているんだろう。楽しみだな!
いつものメンバーでわくわくしながら学校に向かっていったんだ。
02
今日の午前中は体育だ!
運動会が近いから、午前中の一時間目から四時間目まで通しで運動会の練習するみたい。
教室で着替えて、みんなで校庭に出て準備体操。その後はそれぞれが出る競技の練習とか、準備する競技の打ち合わせとかを担当グループごとにすることになった。
わたしは最後の徒競走に出ることになってる。準備する競技は障害物競走だ。
走り込みは打ち合わせ終わった後の時間でするとして、障害物競走の準備ははなとすることになってるから先に打ち合わせしちゃう。
「うーん。障害物競走の跳び箱って、四段なのか。これじゃあんまり障害にならないんじゃないか?」
「ひなた基準だとそうかもしれないけど、だいたいこのくらいだよ。というか私、四段でも跳べないから下げたいんだけど」
「んー、もうちょっとこう、障害ってくらいだからみゃー姉くらいの高さあってもいいと思う」
「よじ登るの!? というか学校にそんな大きな跳び箱ないよ」
「それもそうだな。ま、跳び箱はこのままでいいか」
「(・・・お姉さん。お姉さんかぁ・・・。今年は見に来るのかな。仮装競争だから見られたくないけど)」
「障害物は、跳び箱と、網をくぐるのと、あんぱんを口で食べるのと・・・これだけか。なんか少ないな。なぁ、はなー。はなー?」
「(でも、引きこもりのお姉さんが頑張って見に来てくれるのはちょっとだけ嬉しいな)・・・あ、なに? ひなた」
障害物、増やしてもいいんじゃないかな。あんぱんだけじゃなくてカレーパンとか。
そう思ってはなにどんなのがいいか聞いてみることにしたんだ。
でもはなは胸の前で手を組んで、その手を見つめていて。ちょっと顔も赤い感じがして心配だったけど、顔の前で手をふりふりしてたら気づいてくれた。
「あのな、はなにとって「障害になるもの」っていったらなんだ?」
「障害になるもの・・・ なんだろう」
「こう、簡単には乗り越えられないなーってなるもの」
「(・・・お姉さんに私から気持ちを伝えるとき、一番の障害になるのが恥ずかしいって気持ちかな。そうなると・・・)」
「・・・羞恥心、かな」
「しゅーちしん? ってなんだ? この校庭にあるか?」
「えっと・・・ 恥ずかしいって思う気持ちだよ」
「はずかしいのか」
「うん。とっても」
「それ、ひょいって飛び越えたりできないのか?」
「そんなに簡単にはいかないよ。気持ちがあふれそうなときにしかできないし。それに周りのみんなの目もあるし」
「おー みんなに見られるのがはずかしいのか」
「そう。ひなただってそうでしょ」
「でも、運動会ってがんばってるのをみんなに見てもらうのが楽しいんじゃないか?」
「え、運動会?」
「おう。運動会」
「?」
「???」
「(~~~! ツッコミたいけど、アタシ仮装競争を準備するグループ!)」
のあが隣のグループで >凸< って顔してる。どうしたー? のあー
そんなこんなで、時間的にゆったりとした体育の授業が過ぎていった。
03
あのあと軽く校庭十周くらい走り込みをして、午前中の授業は終わり!
走ってるとすごく気持ちいい。速く走るほど風が強くなって涼しいし、体をいっぱい動かすだけで元気になっていく感じがする。
今日の給食はジャージャー麺とスープとトマト。あとデザートのプリンだった。
ジャージャー麺は細切りのきゅうりが入っていてシャキシャキでおいしい!
パンもごはんも麺類も、給食はどれもおいしいなー。
はなとのあと三人でいつも通りおしゃべりしながら食べて、トマトまできれいに食べきる。
プリンまで食べきっていたはなが私のプリンを見つめてよだれたらしてたから、はなに食べてもらうことにした。
瞳をきらきらさせながらはなはプリンをゆっくり味わっていて。みゃー姉のプリンほどじゃないけど、すごく幸せそうな顔をしていた。
おいしいかー? おー、よかったなーはなー。
「んもー。ヒナタちゃんはやさしいんだからー」
「わたしはプリンなくても大丈夫だからな。一番おいしく食べてくれる子に食べてもらったほうが、プリンもきっとうれしいぞ」
「そうだネ。じゃあ、そんなヒナタちゃんにはこれ。はい、あーんω」
「お? おおー あーんっ」
ぱくっ ちゅるんっ
「んゅんゅ・・・ んくっ あー、やっぱ食べるとおいしいなープリン」
「でしょー? じゃあ、ひとくちずつネ。 あむっ あまーい☆ はい、ヒナタちゃん、あーん」
「あーんっ」
「えへへ・・・ あーむっ おいしいω はい、あーん」
「あーん」
のあに食べさせてもらうと、やっぱり給食のプリンもおいしかった。
でも、のあに食べさせてもらってるから、のあが大変そうだ。自分のスプーン使ったほうが・・・と思ってスプーンに手を伸ばしたけど、のあがすっと私の手の上に手のひらを乗せてきた。
おー、いいのか? なんか悪いなー。
よく見てると、わたしがあーんするたびにのあが赤くなっていく。どうしたんだろう。
「んくっ のあ、だいじょうぶか?」
「う、うん・・・。ヒナタちゃん、シアワセだネ☆」
「お? おー プリンはあまくておいしかったな!」
「・・・二人は相変わらずだね。ごちそうさま」
「ごちそうさまー☆」
「ごちそうさま!」
トレーを戻して時計をみると、お昼休みはあと四十五分あった。
たべたらねむくなってきちゃった。でんちぎれー・・・
ちょっときゅうけい。
「ふぁ~ おひるねするー。おやすみー・・・」
「はーい おやすみなさーいω」
じぶんのつくえにつっぷして、うでをまくらにする。
のあがとなりにすわって、わたしのかみをやさしくなでてくれてて。
ん・・・ それされると、すぐねちゃう・・・。
すぅ すぅ・・・
■ ヴァラカスサーバのわたてん!イルミネーションアート(天使たちの日常風景) ■
ヴァラカスサーバ在住のまいちゃんさんは、生粋のイルミネーションアーティストです。
毎回公演会のシチュエーションに応じたイルミネーションアートをヴァラカスサーバにて作ってくださっています。
本記事最初にURLはご案内しておりますので、イルミネーション製作過程の記事につきましてはそちらをご覧ください。
ヴァラカスサーバにて、天使のみなさんで観賞することができたようです。
日中帯のお話ということで、明るい時間帯となるように調整して撮影をしてくださいました。
また、3枚目は絵笛さんアドバイスにより作品中央に立って全体図を大きく撮影したものとのことです。
作者のまいちゃんさんに、しっかり天使たちに見ていただけたことをご報告すべくこちらに掲載させていただきました。
素敵な作品、ありがとうございました。
───────────────────────────
── プレシャスな日常! 第二部 ──
───────────────────────────
一般チャットで行われた実際の「オンライン☆わたてにんぐ劇場」のチャットログはこちらから。
→
公演会開始前、集合時の様子 ~ ご歓談 ~ 血盟チャットによる打ち合わせ
→
オンライン☆わたてにんぐ劇場 「プレシャスな日常!」 チャットログ04 ~ ご感想 ~ 血盟チャットによる打ち合わせ
→
オンライン☆わたてにんぐ劇場 「プレシャスな日常!」 チャットログ05 ~ ご感想 ~ 血盟チャットによる打ち合わせ
→
オンライン☆わたてにんぐ劇場 「プレシャスな日常!」 チャットログ06 ~ ご感想 ~ 解散
スクリーンショットは松本香子さんと星野みやこさんと暁美ほむらちゃんさんが撮影したものになりますので、チャット内容や環境設定はそれぞれ基準となります。
保護者さまの反応(わたてん保護者会血盟チャット)および公開していただけた天使たちの裏方のやり取り(わたてん公演会部血盟チャット)をすべて時系列で入れ込んでおります。天使たちの微笑ましい舞台裏も含めてお楽しみください。
天使たちの舞台裏は松本香子さんと星野みやこさんが撮影されたものを、保護者さまの会話は暁美ほむらちゃんさんが撮影されたものを使用し、合成して1枚にまとめております。
今回も主に「天使たちのお友だち(保護者さま)」を対象とした即興劇を、人数制限のない一般チャット(白チャット)にて天使たちが実施してくださいました。
主な出席者は以下の通りでした。
わたてん公演会部:星野ひなたさん、星野みやこさん、白咲花さん、姫坂乃愛さん、種村小依さん、小之森夏音さん、松本香子さん、松本友奈さん
わたてん保護者会:絵笛さん、えてなさん、マイちゃんさん、うらりーぬさん、ノノルさん、暁美ほむらちゃんさん、花咲02さん、ドワーフラビットさん
総勢16名でのイベントとなりました。いつもご参加ありがとうございます。
なお、まいちゃんさんが今回も公演会の内容をモチーフとしたイルミネーションアートを作ってくださり、その製作過程の記事を掲載してくださったようです。 →
ジャモアに行こう・w・
いつも天使たちの公演内容に合わせたイルミネーションアートを作ってくださいまして、ありがとうございます。
作品につきましてはいつも通り、乃愛さんがヴァラカスサーバにて撮影してくださいましたので本ページ下部に掲載させていただきます。
■記載ルール■
メイン記述者(進行者。今回は星野ひなたさんと白咲花さん)が直接一般チャットに地の文を書き、他登場人物は「」で囲む形でセリフを書くことで物語を紡いでいきます。
☆☆☆☆☆ イントロダクション ☆☆☆☆☆
── リンドビオルサーバのとある同盟では ──
── 気ままに天使たちが舞い降りては 一遍の物語を協力して紡ぎ 人知れず飛び去っていく──
── という噂がまことしやかに囁かれています ──
こちらの記事は「エンジェリック・ミスリル・ハーツ・フェデレーション」内「天使が舞い降りた」同盟において
天使たちの紡いだ物語を一般公開できる形で記録に残そうと考えまとめたものとなります。(天使たちの公開許可はいただいております)
「私に天使が舞い降りた!(わたてん!)」という作品世界から、こちらの世界に飛ばされてしまった天使たち。
戻る術が見つからない日々の中、お友だちの代理露店をこなしながら元気に楽しげに生活されています。
時折、突発的に始まるリアルタイムでの「物語の編纂(即興劇)」というお遊戯は、その完成度の高さ、内容の睦まじさにより
見る人に癒しと潤いを与えてくれるものとなっており、まさに【天使】のような存在となっています。
今回のメイン記述者は「星野ひなた」さん。
主なキャストは「星野みやこ」さん、「白咲花」さん、「姫坂乃愛」さん、「種村小依」さん、「小之森夏音」さん、「松本香子」さん、「松本友奈」さんでした。
私に天使が舞い降りた! 公式サイト
より、プロフィール画像はこちらになります。(コンパクトにまとめました)
──────────────────────────
── プレシャスな日常! 第二部 ──
──────────────────────────
■作品イメージタグ■
#私に天使が舞い降りた! #わたてん! #星野ひなた #姫坂乃愛 #星野みやこ #白咲花 #種村小依 #小之森夏音 #松本香子 #松本友奈 #ひなノア #花みや #よりかの #松みや #日常風景 #コスプレ撮影会 #ハロウィン #誕生日 #かぼちゃスイーツ
■作品文体■
一人称小説
■お題■
「プレシャス」
「雪だるま」
「サイコ」
※オンラインでのわたてにんぐ劇場では、白咲花さんがメイン記述者に「3つのお題」を開始直前に出されます。
メイン記述者もしくは参加者はランダムで出されるその「お題」を地の文やセリフのどこかに取り入れてお話をリアルタイムで紡ぎます。開始直前に発表される為、事前に考えておくことができません。
今回のお題選出と発表については、開始直前に星野ひなたさんが姫坂乃愛さんに依頼されていました。
お題はこなす側もですが、発出する側も非常なプレッシャーがかかります。お題の内容如何によって公演会の難易度やお話の方向性が決まってしまう為です。
事前にお題を出され、じっくり考えた場合でもランダムキーワードを取り入れて物語を紡ぐことはかなりの高等技術ですが、毎回みなさんすんなりとオンラインリアルタイムでこなされているので驚愕しております。
04
午後の英語の授業も終わって下校時間。今日はみんな予定ないみたいだから、うちに寄ってもらうことにした。
みゃー姉もみんながいてにぎやかな方がきっとうれしいと思う。
「わん、ツヴァイ、とろわ、すー、ご・・・ 五人だな」
「すっごく自由な数え方だねぇω」
ピピッ ピ ピピピ
『みゃー姉! 今日ははなとのあだけじゃなくて、こよりとかのんも一緒だから五人で帰るぞー!』
ポチッ
「これでよし! みんな帰るぞー!」
「ミャーさん?」
「おう! きっとお菓子用意してくれてるからな。人数伝えておこうと思って」
「そっか・・・。ひなたって、周り見えてるよね。すごいと思う」
「へへっ、みゃー姉に気持ちよくお菓子作ってもらいたいからなー」
「ごめんねー 急に私たちも行くことにしちゃったから・・・」
「そうね。でも、大丈夫よかの! あれだけすごいお姉さんなんだもの。なんとかしてくれるわ!」
「う、うん・・・」
「そうだぞー みゃー姉はすごいんだぞ!」
よしよし。こよりとかのんもみゃー姉のすごさをちゃんと分かってくれててうれしいぞ。みんなで教室を出て、昇降口で靴をはきかえて校庭に。そのまま校門までダーッシュ!
したかったけど、こよりが転びそうだったからふつうに歩くことにした。
「みやこおねぇさんって、美人で、やさしくて、お菓子作りが上手で、おしとやかで、スタイルもよくて、警察と協力して悪い人捕まえちゃうし」
「モデルさんで、ハリウッド女優で、今度宇宙にも行くし、バーン様も片手で倒しちゃうのよね。すごいわ!」
「すごいねー♪」
「虚像がスゴイω ていうか、ミャーさん強すぎじゃない? 腹筋5回くらいしかできないのにー」
「またお姉さんの噂が雪だるま式にすごいことになってる・・・。というかかのんたちは実際に会ってるのに、どういうことなの・・・」
「さすがみゃー姉!」
おおー、いつのまにかバーン様より強くなってたのか。すごいなみゃー姉!
なんてことをわいわい話しながら歩いてたら、すぐにうちまでついちゃった。
門を開けようとしたとき、庭の方で何か物音がした。
ガサガサガサッ
松本だった。妹のゆうと一緒に、庭の生け垣の中からぬぼっと出てきた。
「松本ォ! こんなところでどうしたんだー?」
「あらー、ひなたちゃん。偶然ね」
「いえーい!」
「いえーい! 今は日課の散歩中なのよ。うふっ❤」
「おおー、散歩か! それでゆうもいっしょなんだなー」
「ひなねーちゃ!」
「おー、ゆうもかわいいぞー。よしよーし」
「んふー」
「えっ 偶然・・・?」
「お姉さんの家の庭から出てきたよね・・・?」
「ユーちゃんもいるし、教育によくないと思うのアタシ」
「通報しておく?」
のあとはなが青ざめてるように見える。大丈夫かー?
「あ! 松本のお姉さんね! ひなたちゃんのお姉さんとおなじで何でもできちゃうすごい人!」
「あらー、こよりちゃんありがとう❤」
「こ、こんにちはぁー・・・」
「・・・ま、でもこれもいつも通りだし」
「それもそうだネω カノンちゃんがオロオロしてるけど、アタシたちでフォローしよー☆」
かのんもあんまり顔色よくないな。心配だな。
このごろちょっと寒くなってきたからな。早くうちに入ってもらおう。
「松本も寄ってくか? きっとみゃー姉がお菓子作ってくれてるぞ。食べていかないか?」
「あらっ こんな光栄なことがあっていいのかしら!」
うれし涙をぽろぽろ流してる松本。
そうだよなー、みゃー姉のお菓子はおいしいもんな。今日は堪能してくれー!
「みんな、あがってくれー! たっだいみゃー姉ー!」
「はーい。おかえりなさい」
「こんにちミャーさん☆」
「おじゃまします」
「おじゃまするわ!」
「おじゃましまーす」
「玄関から入るなんて、久しぶりだわぁ❤」
「あはは・・・ 香子ちゃんもいらっしゃい」
「はっ 待って! この玄関をまたいだら、私「星野姓」になってしまうんじゃないかしら!?」
「ならないよー? ダイジョウブだから入っちゃってーω」
「いつ吐血してもいいように、辞世の句を考えておかないと・・・」
「(一言一句、言い方がこわいな・・・)」
05
カシャカシャカシャッ カシャッ カシャッ
「ひゅー! いいよー花ちゃん。サイコー!」
「みゃー姉、わたしはー?」
「ひなたもかわいいよー!」
「やたー!」
「はぁ・・・」
おやつの前に、撮影会。これもいつもどおりだなー。
みゃー姉ははなだけ撮影できればいいみたいだけど、わたしもみゃー姉にかわいいって言ってもらいたいから一緒にコスプレしてる。
今日の衣装は・・・なんだろうな、これ。
みんなそれぞれ特徴的な色で目立つけど、形もみんな違っていて、リリキュアみたいな戦隊モノとは違うような気がする。
「実は、香子ちゃんに似合いそうだなって作っておいたのがあって・・・ 魔法少女で、つつじの家で育った青系統の人の衣装、なんだけど・・・」
「みやこさんが私の為に!?」
ポロポロ
松本が大粒の涙をこぼしている。泣くほど嬉しかったみたい。
よかったな、松本!
「ちょっと遅くなっちゃったけど、香子ちゃんお誕生日だったから、その、プレゼントってことで・・・頑張って作ってみた、んだけど・・・」
「よかったな、松本!」
「」
「・・・マツモトさん?」
「・・・立ったまま気絶してる?」
「すごいバランス感覚ね!」
「はわわわ・・・」
おー、大丈夫かー? 松本。
みんなで松本を起こそうと周りで手を叩いたり踊ったりしてたら、突然松本が再起動した。
「はっ! ありがとう、私服にするわ! 至福な私服! うふふ~❤」
「私服にするのはやめておいた方が・・・」
「マツモトさんが嬉しすぎてオカシクなってる」
「いつも通り・・・なんじゃない?」
「松本ノリノリだな!」
この後、みんなでコスプレと撮影タイム。
みゃー姉は松本が持ってきていたカウボーイハットに二丁拳銃で、オレンジ色の衣装を着させられていた。
それ持ち歩いてたのか松本。本当につかまりそうで心配だなー。
「こっ 香子ちゃん・・・ は、恥ずかしいから・・・っ!」
「いいわぁ そのままで。 そう・・・ ああっ いいわ! 次は拳銃の先でハットの先端をくいっと!」
「勘弁して!」
うんうん。さすがみゃー姉、かわいいぞ!
はなはネイティブアメリカンみたいな羽根のついたふんわり帽子で、緑色のお洋服。ブーメランも持たされていた。
「これ・・・ 原住民さんですか?」
「ご主人さまのところにメイドさんとして住み込みしている子のコスプレだよー!」
「はぁ」
「ハァ・・・ ハァ・・・ いいよー花ちゃん。いいっ!」
「はぁ・・・」
のあは赤っぽいふんわりしたドレスで、悪魔のしっぽがついていた。髪もツインテールでやっぱりかわいいな!
「どうどうどうなのー!? あーしサイッキョーにカワイイ魔法少女だし☆」
「おおー、のあのそれ魔法少女なのか。かわいいな!」
「だっしょー? にゅふふーんω」
かのんは大きなグーのついてる武器。お洋服は赤っぽくて全体的に布が少なかった。
かのんはすごく恥ずかしがってたけど、そういうのもかわいいぞー。
「これ、その。足元がすーすーしちゃって・・・」
「かの、かわいいじゃない。もっと大胆でもいいと思うのよね」
「よりちゃん・・・?」
「さあ、ばーっと上と下脱いじゃって!」
「それもうこすぷれって言わないよぉ・・・あとでおうち帰ってから、ね・・・?」
こよりは長い槍と赤いお洋服の子で、槍だけじゃなくてタイヤキとうんまい棒も持っていた。
はながよだれたらしてたから、本物なんだろうなー。
「かの、食べる? じゃなかった、くうかい?」
「わー よりちゃんかわいいー」
「ふふーん! 風見野の平和は私がどんどん守っちゃうんだから!」
「なんだか混ざってるような気がするけど・・・ でもかわいいなぁ。えへへ・・・」
わたしは余っていたオレンジ色のお洋服と、ハリセンを装備。
「ちゃっちゃー!」
「きゃー! ヒナタちゃんかわいいー☆」
「お、ありがとな、のあ!」
「い、今のもう一回! そうそう、髪をかきあげる感じで・・・ はぁ・・・はぁ・・・イイ! 写真撮るからそのままで!」
「お、おう・・・」
「ひなたがめずらしく引いてる・・・」
パシャシャシャシャシャシャシャッ
「おお、連写か! それならこっちも残像するくらい速く動くぞー! ちゃっちゃー!」
「シャッタースピード速くして対応! まけないぞー☆」
ゆうは白いうさぎみたいな着ぐるみを着せられていた。
着るというより、白い布にゆうが入り込んでる感じだな。
「もきゅっ ゆうとけーやくして、てんしになってよー!」
「あぁ、ゆうもとってもかわいいわ❤」
「んふー! きゅっぷい!」
みゃー姉は松本が持ってきてたカメラで撮影されてて、他のみんなはみゃー姉が撮影してた。
みんな元ネタはわからないけど、それぞれ似合っててかわいかったなー。
やっぱりコーディネートはこーでねーと!
「おねぇ、かっこいい!」
「みやこさんに撮ってもらえるなんて・・・!」
「あはは・・・。あとで香子ちゃんに写真送るね」
「ありがとうみやこさん! 家宝にするわ!」
よかったな、松本。ちょっと過ぎちゃったけど、お誕生日おめでとうな!
06
みんなでコスプレと撮影会をし終わって、お待ちかねのおやつタイム!
みゃー姉のお菓子は絶対おいしいからなー。今日も楽しみだ!
「お姉さんっ 今日のお菓子はなんですか?」
「今日はハロウィンが近いから、かぼちゃのお菓子でまとめてみたよっ」
「わぁぁあああ かわいいー☆」
はなとのあだけじゃなくて、その場にいるみんなが目を輝かせてみゃー姉のお菓子を見つめている。もちろんわたしもだ!
三種類のお菓子が並んでいて、スティック状のもの、小さいかぼちゃそのままの形のもの、パウンドケーキみたいなものがお皿に盛られていた。
どれもとってもおいしそうだ。ということで、あとははなとみゃー姉でよろしくな!
「かぼちゃのお菓子は和菓子とか洋菓子いろいろあるけど、今日はかぼちゃのかりんとう、かぼちゃプリン、かぼちゃのパウンドケーキにしてみたよ」
「この小さいかぼちゃ、中身プリンなんですね。おいしそう・・・」
「おいしそうね! どれからいただこうかしら」
「どれもおいしそうで迷っちゃうねー」
「どれでも好きなのから食べてね」
お姉さんのお菓子。これを目当てに恥ずかしいこともがまんしてるし、がまんできるくらいおいしいお菓子。
でも、とりあえず両手をあわせて。
「いただきます」
「いただきまーす☆」
「いただきます!」
「はーい。めしあがれー」
どれからにしようかな。迷うけど、こういうときは甘くなさそうなのからがよさそう。
見たところ、かぼちゃのかりんとうには細かい粒子のお砂糖がかかっているから、これは最後かな。
小さいかぼちゃは皮の部分が浅く削られていて、ジャックオーランタンの顔になっていた。かわいい・・・。
蓋になっているへたのところを持ちあげてみると、中は一面つやのある茶色の液体で覆われていた。カラメルソースだと思うから、これも甘いはず。
パウンドケーキは2センチくらいの幅で切られていて、お皿の上に置かれている。生クリームが添えられていて、オレンジ色のケーキの表面にはチョコで、なんだろう。おひげ・・・が描かれていた。
これが一番甘くなさそうかな。パウンドケーキからいただこうっと。
「わー 花ちゃんのパウンドケーキだけ、絵柄が違うんだねー」
「すごい凝ってるわ。さすがみやこさん!」
「え・・・? そうなの?」
かのんと松本さんの反応で気がついて、二人のパウンドケーキを見てみる。すると、表面にチョコで描かれているのはジャックオーランタンの顔だった。
見まわしてみると、私のパウンドケーキだけひげろーのおひげが描かれてるみたい。それに、よーく見ると私のお皿のだけ添えられている生クリームがちょっと多いように見えた。
「さすがみゃー姉! はなのことよく分かってるよなー」
「んもー、こういうサービスしちゃうから、ハナちゃんミャーさんから離れられないんだよーω」
「愛されてるわね!」
「えへへ、いいなぁ」
「はなねーちゃ、とくべつ!」
「そうね、ゆう。みやこさんにとって花ちゃんは特別だもの❤」
ちょっとみんな、食べづらいからそのくらいにしておいて・・・。
んもぅ、どんな顔してお姉さんを見ればいいの・・・。
ちらっとだけお姉さんを見てみると、いつもの気持ち悪い笑顔じゃなく、満面のほっこり笑顔になっていた。うぅ・・・。
「ち、違いますからね。私はお姉さんのお菓子が好きなだけで、お姉さんのことは嫌いじゃない、ってくらいで、その、まだ好きじゃないんですから!」
「わかってるよー(にこにこ)」
「その顔やめて!」
もう。せっかくのお菓子が味分からなくなっちゃう。
お姉さんのこと想いながら食べると、どんなお菓子も少し甘めになっちゃうんだから・・・。
ホットミルクをひとくち含んで、気持ちをリセット。
あ、このミルクお砂糖が入ってない。パウンドケーキと一緒に味わってちょうどいい感じなんだろうな。
とすっ ちょいちょい はくっ
フォークでパウンドケーキを切って生クリームを少しつけて口に運ぶ。
パサつかずにちゃんとしっとりとしたスポンジが溶けていって、じんわりとかぼちゃの風味で口の中が満たされていく。
ひげろーのおひげの部分もただの飾りじゃなくて、ちゃんとチョコレートのアクセントになっている。
チョコの部分をお口に入れた後、甘くないホットミルクを含むとまろやかでとてもいい。
カステラを食べる時と似てるかも。あれも甘くないミルクでじんわりとスポンジの甘みが引き出されてとてもおいしいし。
かぼちゃの種もパウンドケーキの表面で香ばしく焼かれていて、コリコリと味わうととても栄養のありそうな、滋味深い味わいだった。
「プリンおいしい! おねぇ、これおいしい!」
「本当においしいわね、ゆう。さすがみやこさんだわ❤」
パウンドケーキを一切れ食べ終わって、次は松本さん姉妹が絶賛してるかぼちゃのプリン。
スプーンに持ち替えてカラメルソースとプリンをすくい出してみる。
コツッ・・・
「え・・・?」
なに・・・?
思いがけない感触で一瞬思考が止まる。何か硬いものが当たったような・・・。
よくよく見てみると、カラメルソースが液体じゃないみたい。薄氷のようにプリンの上に乗っているようだった。
困惑してお姉さんを見てみると、笑顔でうなずいている。
割って混ぜて食べていいみたい。
ぱき・・・ ぱきしゃ・・・ ぱり・・・
まるで薄氷を割りながら進む砕氷船のような感触を、スプーンの先に感じる。これはこれで快感かも。
板状になっていたカラメルソースは決して分厚くはなく、まさに薄氷といった薄さで。
割っていくと下のなめらかなプリンと溶け合って、食感のアクセントにちょうどよさそうだった。
すいっ・・・ あむっ
「んん~~~~~~~・・・っ!」
思わず声が出ちゃう。舌の上でかぼちゃ風味のプリンと香ばしいカラメルが混ざり合って、得も言われぬ余韻を残しながらすぅっと消えていく。
甘すぎて喉が焼けたり、かぼちゃの味が消えちゃうようなこともなくて。
オレンジ色のプリンの持つ、どっしりとした大地の風味がカラメルの香ばしさで一層引き立っているみたい。
プリンは私の大好物だけど、それを差し引いてもとってもおいしいプリンだった。
「ヒナタちゃん、これ長いから半分こにしない?」
「おおー、なんかひょろっと長いなー」
「じゃあ、アタシがこっち側から食べていくから、ヒナタちゃんは反対側からネ☆」
「お? おおー なんかおもしろい食べ方だな。あーーむ」
ノアはひなたと一本の長いかりんとうを両側から食べ合ってるみたい。
だけど、その食べ方って・・・どうなの?
「いくわよ、かの! じゃんけーん・・・ ぽんっ!」
「ぽんっ」
「あーーっ 負けちゃったわ・・・」
「えへへ・・・ はい、よりちゃんあーん」
「あーーーん んー、これもおいひいわね。もぐもぐ」
「おいしいねー♪」
そこでかのんとこよりがやっているみたいに、ノアとひなたもお互いに食べさせ合う形にしたほうがいいと思うけど。
そうしないと・・・。
「むぇっ ひょっ ひょっと、ヒナヒャひゃん・・・!」
「んむんむんむ・・・ ひゃっはり、みゃーぇーのおはひはおいひいな! んむんむ」
「~~~~~~~~っ! ぷあっ も、もうダメ。これ以上無理・・・」
「んむんむ んぐんぐんぐ こくん おいしいぞーみゃー姉! お? のあ、どうしたー? 顔が真っ赤だぞ?」
案の定、ノアはひなたとの距離が近くなりすぎてオーバーヒートしたみたい。
これもいつものパターン。ノアから仕掛けてるのに、いつも返り討ちに遭っている。懲りないな・・・。
おいしいって言われたお姉さんはひなたにありがとうって言いながら、ノアの様子を見て苦笑いしている。
その時、お姉さんと目が合って。
お姉さんはお顔をピンク色にさせながら手元のかりんとうを一本取るとお口にくわえている。
そのまま、私の方をちらりと横目で見た後、両目をつぶってゆでたこみたいになっちゃった。
・・・ノアたちみたいなことをしたい、のかな?
分かりました。でも、ちゃんと味わうまでおあずけです。
すっ・・・ カリッ ほくっ
表面はからっと揚がっているけど、内側はかぼちゃのほっくり感が感じられるくらいの揚げ加減になっている。
カリカリほくほくの食感がとってもおもしろいし、お姉さんのお菓子だから当然のことだけど、おいしい。
新鮮な油を使っているのがすぐ分かるくらい香ばしくて、変な匂いがぜんぜんしない。
何の変哲もないかりんとうだけど、素揚げにしていることでかぼちゃの持つ力強さをダイレクトに感じる。
さっきのプリンと同じように、大地から時間をかけて栄養を吸い上げて凝縮していったことが想像できる、野趣あふれる素朴で滋味深い味だった。
このかぼちゃのかりんとう、1cm角くらいの幅で切られていて長さは5~10cmってところかな。
かぼちゃの表面にはすごく細かい粒子のお砂糖がいっぱいくっついているけど、でも意外と甘すぎない。不思議・・・。
これだけのお砂糖だと喉が焼けたり、ちょっとくどいなって思ったりするのに、このかりんとうはそんなに甘くないし、甘さそのものがとても上品だった。
なんでだろう・・・。
私は目を凝らして、よーくお砂糖を観察してみる。
かぼちゃのオレンジ色でよく見えていなかったけど、白いお皿にお砂糖だけコンコンと落としてみると、このお砂糖は真っ白じゃなくて淡いクリーム色だった。
このお砂糖、どこかで・・・。
そうだ。前にお姉さんが和菓子を作るというので、横でじっと見つめていたことがあった。
その時、いつものお砂糖とは別のお砂糖を使っていた。黒い箱に入っていて、とても高価なものだとお姉さんが教えてくれたっけ。
名前は・・・・・・ そう、和三盆だ! やっと思い出せた。
嬉しくなって、もう一本を口に入れて、改めてゆっくり味わってみる。
うん。やっぱりおいしい。お砂糖がするっと溶けていって、口の中に残らないこの感じ。これはこのお砂糖じゃないと出せないんだよってお姉さんが言っていたな・・・。
ふと気がついて、さっきのパウンドケーキとプリンもひとくちずつ食べてみる。
パウンドケーキはいつものしっかりしたお砂糖の味がするから、これはたぶんグラニュー糖を使ってるんだろうな。
プリンのぱりぱりカラメルソースもザラメかグラニュー糖だと思うけど、プリン本体のほうはふわっとした上品な甘さでするっと消えていくから、きっと和三盆を使ってるはず。
お姉さんの作るお菓子の材料は、ほとんどがお姉さんのおこづかいで揃えたものだって聞いている。
だから、お安い材料を使って腕でカバーというか・・・お姉さんの器用さと、えっと、その、愛情を込めることでおいしいお菓子を作り上げているんだと思っていた。
でも、今日のお菓子たちは・・・ううん、ここ最近の記憶に残るくらいおいしかったお菓子たちは、もしかしたら今日のように高価な材料を使って作ってくれていたのかもしれない。
お姉さんは当然アルバイトなんてしていないし、おこづかいは年に一度のお年玉くらいのはず。どうやりくりしているんだろう。
ううん。そんなことより。
私の、私たちの為に作ってくれる、日常的なお菓子たち。
特別な日の特別なお菓子じゃなくて、日々のお菓子にどうしてお姉さんはそこまで力を入れられるんですか。
もっと普通の材料でもいいのに。お姉さん、頑張りすぎですよ。
どうしてそこまで・・・。
お姉さんのほうに目をやると、さっきのかりんとうをお口にくわえたまま、ノアの手当てをしているようだった。
かりんとうをくわえている姿が、なんだかひなたのお母さんみたいで。
ちょっとだけ大人っぽく見えてドキッとしちゃう。
お姉さんなのに、ちょっとだけかっこいい、かも・・・。
そういえばさっき視界の端で、ひなたが真っ赤になったノアのおでこに自分のおでこをくっつけて熱を計ろうとしていたのは見えていた。
案の定、それがとどめとなってノアはひっくり返っていた。
そのノアをお姉さんがお姫様だっこでソファまで運んで横にさせていて。
そして、ノアが楽な姿勢を取れるように体勢を整えて、頭をやさしくなでていた。
なんだかちょっと・・・うらやましい。いいな・・・
「お姉さん」
「ん? はなひゃん?」
そんなお姉さんに近づいて。
私はお姉さんのほっぺに両手を添えて、お姉さんのくわえているかぼちゃのかりんとうをぱくっとして、ひゅっと引き抜いた。
「ぷあっ!? は、花ちゃ・・・!?」
「むぐむぐ・・・んくっ お姉さんの、お砂糖多めに見えたので。おいしかったです」
ふふ あわあわしているお姉さんもかわいいかも。
私はかりんとうをもう一本取ると、口にくわえて。
もごもごと上下にかりんとうを動かしながら、お姉さんのことをじっと見つめてみた。
「っ!? ~~~~~~・・・・っ」
どたーーーーんっ
「みゃっ みゃーーーーー姉ーーーーーーー!!」
あ・・・
やりすぎちゃったかな。おいしいお菓子のお礼のつもりだったのに。
この世の終わりのような顔をしているひなたをなだめながら、私はお姉さんをひざまくらして介抱してあげることにした。
はぁ・・・。こんなんじゃ、先が思いやられるな・・・。
みゃーみゃー泣いてるひなたをお姉さんから引きはがして、こよりとかのんと一緒にノアの看病をしてもらう。
松本さんは・・・カメラでお姉さんを撮影するのに忙しいみたいだから放っておこう。
ゆうちゃんはお姉さんのことが心配らしくてのぞき込んでいたけど、私と目が合うとこくんとうなずいてこよりに勢いよく飛びついていた。
飛びつかれたこよりはその勢いのままかのんを巻き込んで倒れて、二人してソファにごろんしていた。大丈夫かな・・・。
でも、こよりが下になる形でかのんのことを守っていたから、大丈夫かな。そんな器用なことができるなら、倒れないように頑張ればいいのに。
倒れてるお姉さんの頭をちょっと持ちあげて、ひざまくら。この体勢だとお姉さんのきれいなお顔がよく見える。
髪をなでながらじっと見つめる。うん。やっぱり前髪上げた方がかわいいですよ。ふふ。
そのままお姉さんが起きるまでの間、私は頭をやさしくなでながら、お菓子のように甘い香りのするお姉さんをひとりじめできるプレシャスな時間を堪能したのだった。
■ ヴァラカスサーバのわたてん!イルミネーションアート(マギレココスプレ中の乃愛さんひなたさんのポッキーゲーム) ■
ヴァラカスサーバ在住のまいちゃんさんは、生粋のイルミネーションアーティストです。
毎回公演会のシチュエーションに応じたイルミネーションアートをヴァラカスサーバにて作ってくださっています。
本記事最初にURLはご案内しておりますので、イルミネーション製作過程の記事につきましてはそちらをご覧ください。
由比鶴乃さんのお姿はこちらから(再掲) →
マギア✧レコード 由比鶴乃さん公式紹介動画(別ウィンドウでyoutubeが開きます)
木崎衣美里さんのお姿はこちらから(再掲) →
マギア✧レコード 木崎衣美里さん公式紹介動画(別ウィンドウでyoutubeが開きます)
おやおや。かりんとう抜きのポッキーゲームですか。ごちそうさまです(微笑)
ヴァラカスサーバにて、星野ひなたさんと姫坂乃愛さんが揃って観賞(デート)することができたようです。
日中帯のお話ではありますが、若干薄暗いほうがイルミネーションがきれいに映えるとのことで、夕暮れ時に撮影をしてくださいました。
作者のまいちゃんさんに、しっかり天使たちに見ていただけたことをご報告すべくこちらに掲載させていただきました。
素敵な作品、ありがとうございました。
───────────────────────────
── プレシャスな日常! 第三部 ──
───────────────────────────
一般チャットで行われた実際の「オンライン☆わたてにんぐ劇場」のチャットログはこちらから。
→
公演会開始前、集合時の様子 ~ ご歓談 ~ 血盟チャットによる打ち合わせ ~ お題発表
→
オンライン☆わたてにんぐ劇場 「プレシャスな日常!」 チャットログ07 ~ ご感想 ~ 血盟チャットによる打ち合わせ
→
オンライン☆わたてにんぐ劇場 「プレシャスな日常!」 チャットログ08 ~ ご感想 ~ 「効果音の探究」の実演 ~ 解散
スクリーンショットは姫坂乃愛さんとみんなのお父さんが撮影したものになりますので、チャット内容や環境設定はそれぞれ基準となります。
保護者さまの反応(わたてん保護者会血盟チャット)および公開していただけた天使たちの裏方のやり取り(わたてん公演会部血盟チャット)をすべて時系列で入れ込んでおります。天使たちの微笑ましい舞台裏も含めてお楽しみください。
天使たちの舞台裏は姫坂乃愛さんが撮影されたものを、保護者さまの会話はみんなのお父さんが撮影したものを使用し、合成して1枚にまとめております。
今回も主に「天使たちのお友だち(保護者さま)」を対象とした即興劇を、人数制限のない一般チャット(白チャット)にて天使たちが実施してくださいました。
主な出席者は以下の通りでした。
わたてん公演会部:星野ひなたさん、星野みやこさん、白咲花さん、姫坂乃愛さん、種村小依さん、小之森夏音さん
わたてん保護者会:絵笛さん、マイちゃんさん、うらりーぬさん、ノノルさん、暁美ほむらちゃんさん、楽笑09さん、・ョ・さん、みんなのお父さん
総勢14名でのイベントとなりました。いつもご参加ありがとうございます。
なお、まいちゃんさんが今回も公演会の内容をモチーフとしたイルミネーションアートを作ってくださり、その製作過程の記事を掲載してくださったようです。 →
ハンティングお代わりなし><
いつも天使たちの公演内容に合わせたイルミネーションアートを作ってくださいまして、ありがとうございます。
作品につきましてはいつも通り、乃愛さんがヴァラカスサーバにて撮影してくださいましたので本ページ下部に掲載させていただきます。
■記載ルール■
メイン記述者(進行者。今回は星野ひなたさんと星野みやこさん)が直接一般チャットに地の文を書き、他登場人物は「」で囲む形でセリフを書くことで物語を紡いでいきます。
☆☆☆☆☆ イントロダクション ☆☆☆☆☆
── リンドビオルサーバのとある同盟では ──
── 気ままに天使たちが舞い降りては 一遍の物語を協力して紡ぎ 人知れず飛び去っていく──
── という噂がまことしやかに囁かれています ──
こちらの記事は「エンジェリック・ミスリル・ハーツ・フェデレーション」内「天使が舞い降りた」同盟において
天使たちの紡いだ物語を一般公開できる形で記録に残そうと考えまとめたものとなります。(天使たちの公開許可はいただいております)
「私に天使が舞い降りた!(わたてん!)」という作品世界から、こちらの世界に飛ばされてしまった天使たち。
戻る術が見つからない日々の中、お友だちの代理露店をこなしながら元気に楽しげに生活されています。
時折、突発的に始まるリアルタイムでの「物語の編纂(即興劇)」というお遊戯は、その完成度の高さ、内容の睦まじさにより
見る人に癒しと潤いを与えてくれるものとなっており、まさに【天使】のような存在となっています。
今回のメイン記述者は「星野ひなた」さん、「星野みやこ」さん。
主なキャストは「星野みやこ」さん、「星野ひなた」さんでした。
私に天使が舞い降りた! 公式サイト
より、プロフィール画像はこちらになります。(コンパクトにまとめました)
──────────────────────────
── プレシャスな日常! 第三部 ──
──────────────────────────
■作品イメージタグ■
#私に天使が舞い降りた! #わたてん! #星野ひなた #姫坂乃愛 #星野みやこ #白咲花 #種村小依 #小之森夏音 #松本香子 #松本友奈 #ひなノア #花みや #よりかの #松みや #日常風景 #コスプレ撮影会 #ハロウィン #誕生日 #かぼちゃスイーツ
■作品文体■
一人称小説
■お題■
「臆病」
「クッキー」
「リス」
※オンラインでのわたてにんぐ劇場では、白咲花さんがメイン記述者に「3つのお題」を開始直前に出されます。
メイン記述者もしくは参加者はランダムで出されるその「お題」を地の文やセリフのどこかに取り入れてお話をリアルタイムで紡ぎます。開始直前に発表される為、事前に考えておくことができません。
お題はこなす側もですが、発出する側も非常なプレッシャーがかかります。お題の内容如何によって公演会の難易度やお話の方向性が決まってしまう為です。
事前にお題を出され、じっくり考えた場合でもランダムキーワードを取り入れて物語を紡ぐことはかなりの高等技術ですが、毎回みなさんすんなりとオンラインリアルタイムでこなされているので驚愕しております。
07
「みゃー姉! いっしょにお風呂はいろー!」
「あー・・・ でも、明日の花ちゃんの衣装、仕上げておきたいから・・・ひとりで入ってきな?」
「やだ! 終わるまでここで待ってる!」
のあたちが帰って、お夕飯を食べ終わって。
今日はみゃー姉といっしょにお風呂入りたくなって、みゃー姉の部屋まで飛んでいった。
でも、みゃー姉はお洋服作るって言って相手してくれなかった。ぷーーーーっ
ほっぺをぷくーっとリスみたいにふくらませて、みゃー姉が終わるのを待つことにした。
カタタタタタタタ・・・
「終わったか?」
「あとどれくらいだ?」
「もうちょっとか?」
「そろそろ終わるか?」
「あ~・・・」
タタタ・・・
「・・・んもー、しょうがないなー。お風呂入っちゃおうか」
「やたー! みゃー姉とお風呂!」
よーし! これでみゃー姉ひとりじめだー!
みゃー姉といっしょに一階におりて、お洋服をぽいぽい脱いで洗濯かごに入れていっしょにお風呂に入る。
いっしょにお風呂入るときはわたしのことをみゃー姉が洗ってくれるんだ。へへー
髪までぜんぶ洗ってもらって、ざばーっと泡を流してからお風呂につかる。
あったかいお湯を感じながら、髪を洗うみゃー姉を後ろから見つめる。うん。あざとかはできてないし、だいじょうぶそう。
ちゃぷ・・・ ぱしゃ・・・
「ふーーーー・・・ 今日もいろいろ大変だったー・・・」
洗い終わったみゃー姉もお風呂に入ってきてくれた。えへへ、ひさしぶりにみゃー姉といっしょのお風呂で、ちょううれしい!
前にいっしょに入ったのは、おとといだったかな。わたしは毎日いっしょに入りたいぞ。
「みゃー姉、すごい勢いで倒れてたけど、大丈夫だったかー?」
「うん。体はどこも痛くないんだけどね・・・」
「そっか。なら平気だな」
さっきみゃー姉ひっくり返ってたから、ずっと心配してたんだ。あざもできてないし、痛くないっていうなら安心だけど・・・。でも、みゃー姉はちょっと赤い顔をして胸のあたりを手で押さえている。やっぱり痛いんじゃないのか?
わたしが心配で見つめていると、みゃー姉が気づいてくれて笑顔になってくれた。
「大丈夫だよ。 ・・・ひなた、こっちおいで」
「いいのか!? えへへ、みゃー姉ー!」
みゃー姉からおいでってしてくれるの、すごくひさしぶり。
みゃー姉の、飛びついても大丈夫なずっしりしてもにゅっとする体にしがみついて、むにゅむにゅする。
「んふー んふふーー みゃーねぇー」
「・・・ひなた、ありがとね」
「お?」
きゅぅ・・・っ
みゃー姉のことを見上げようとしたけど、みゃー姉が抱きしめてくれたから、みゃー姉の胸に右のほっぺと耳がくっついたままで。
わたしの頭の上にほっぺをくっつけるような形で、みゃー姉はゆるゆると、とつとつと、言葉を湯気に溶かし始めた。
「・・・今、毎日なんだかんだと慌ただしく過ぎていくけど、でも、花ちゃんやノアちゃんたちがいつもうちに遊びに来てくれるのは、とっても嬉しいんだ」
「みゃー姉・・・」
「一年半前のあの日・・・。ひなたが花ちゃんをうちに連れてきてくれてから、すべてがいっぺんに変わったんだ。なにもかも」
大好きなみゃー姉の声。
今はくっついたままだから、左耳にお風呂で反響してるいつもの声が、右耳にみゃー姉の体から直接伝わる声が流れ込んでくる。
左のすごくきれいな声も、右の落ち着く声も、どっちも好き。
ちゃぷ・・・ ちゃぷ・・・
みゃー姉がわたしにお湯をかけてくれる。
お湯から出ている、わたしの肩と首のところに。
そのあいだも、みゃー姉はわたしのことをずっと抱きしめてくれていた。
「・・・変わらない方が、よかったか?」
みゃー姉の声が聞こえなくなって、ちょっとだけ沈黙がこわくなって、聞いちゃった。
みゃー姉のこれまでの生活を変えちゃったのはわたし。
みゃー姉に相談しないまま、はなのことうちに連れてきちゃったから。
もしかしたら、みゃー姉はいままでとおなじほうがよかったのかもしれない。
わたしが、わたしがみゃー姉の環境を変えちゃった、から・・・。
きゅうっ
「・・・みゃー姉・・・」
「大丈夫。大丈夫だよ。そんなに震えないでいいよ」
いつのまにか、わたしはみゃー姉に抱かれながらふるえていた。
あったかいお湯の中で、ふるえていた。
でも、みゃー姉が大丈夫って言ってくれて、さっきよりちょっと強く抱いてくれたから、ふるえはおさまってきた。
「ひなた」
「うん」
「ありがとう。ひなたのおかげで、私は変われたんだよ? 臆病で、自分自身の意志じゃ何ひとつ変われなかった私が、ひなたのおかげで変わることができたの」
「・・・みゃー姉は、変われてよかったか?」
「もちろんだよ。変わらなきゃダメだって分かっていたのに、自分じゃ変われなかったんだから」
みゃー姉は腕の力を抜くと、わたしとちょっとだけ距離を置いた。
みゃー姉のきれいな左目がよく見える。みとれちゃうくらい、きれいな瞳。
「・・・はなはな、五年生になった日、みゃー姉がわたしに持たせてくれたクッキーをとってもおいしそうに食べてくれたんだ」
「うん」
「みゃー姉のお菓子を、あんなにおいしそうに食べてくれる子に、悪い子はいない。そう思ったんだ」
「うん」
「はなはおとなしかったし、みゃー姉をびっくりさせることもないだろうって思ったから、うちに連れてきたんだ」
「うん」
「もちろん、最初に会ってから二ヶ月くらいかけて、はなのことじっくり見てからにしたんだ。ちゃんと時間、かけたんだぞ」
「ひなた」
みゃー姉はとってもやさしい顔でわたしのことを見つめてくれていた。
わたしのことを見つめながら、涙を流していた。
みゃー姉が泣いてる。元気づけなきゃ。そう思うけど、今はこの大事な空間を乱しちゃいけないように思えてなにもできなかった。
「ありがとう。今日の私があるのは、全部ひなたのおかげだよ」
「私の為に時間をかけてくれて、あの時花ちゃんを連れてきてくれて。本当にありがとう」
「みゃー姉・・・」
みゃー姉は泣いてるけど、なんとなくうれしくて泣いているように思えた。
わたしもそんなみゃー姉がうれしくて、涙が出てきて。
お風呂の中で抱きしめ合いながら、わたしたちはしばらく涙を流し合っていたんだ。
おまけ。
ひなたと一緒にお風呂に入って、そのままの流れで一緒に寝ることになった。
もう夜の十時を過ぎていて、ひなたは私の横でぐっすり眠っていた。
「ぇへへ・・・ みゃーあねぇ~・・・」
「・・・まったく。かわいい寝顔しちゃって」
ひなたの幸せそうなほっぺをつついてみると、マシュマロのような感触を指先に伝えながら何の抵抗もなく沈み込んでいく。
花ちゃんにもこういうことしてみたいけど、にらまれてしまいそうで怖くてできない。にらんでる花ちゃんもかわいいけどね。ふへっ
「すぅ・・・ すぅ・・・」
ひなたの安定した寝息を確認して、掛け布団と毛布もしっかり肩までかけてから、私も横になる。明日の花ちゃんの衣装、まだ完成していないけど・・・明日ちょっと早くに起きて仕上げよう。今はひなたとの時間を大切にしたい。
ひなた、あったかいな。
熱がある感じではないけど、寒くなってきた今の時期はゆたんぽみたいで助かる。
じんわりあたたかい、ひなたの体と、おもいやり。
私の体にしみこんでくるようで・・・すごく安心する。
ひなたのミルクのようないいにおい。手放したくなくなっちゃうなぁ。
ひなたが姉離れするより先に、私が妹離れしないと・・・
「(これじゃ、私がひなたに添い寝してもらってるみたいだな・・・)」
「(おやすみ、ひなた。私の大切な、かわいい天使・・・)」
────────────
────────
────
ヒュバッ! どむんっ!! ぐりりっ
「なっ・・・!? ぐぶぇ がっ・・・!!」
ひなたが跳ねたなと思った瞬間、回転で威力を増した渾身の一撃が私のみぞおちに突き刺さっていた。
ぐぅ・・・ ひなたのひざを背骨で感じる・・・っ!
今日も一応プロテクターとして、両足のすねに雑誌を巻き、首にもタオルを巻いているけど、みぞおちはノーガードだった。
ゴロゴロゴロッ ゴロゴロゴロ!
「うぶぇっ ちょっ ひなっ・・・ ぐわああああっ!」
ひなたが私の上で、頭の先から足の先まで器用にローリングしながら往復している。
ああ、のし棒で平らにされるクッキーの生地って、こんな気持ちなんだな・・・。
あまりの猛攻に現実逃避しそうになったけど、なんとかベッドから脱出して床に転がる。
私がいなくなるとひなたはぴたっと止まり、私のまくらを腕で締め上げながら幸せそうな寝顔をしていた。
「みゃあねぇ・・・ えへへ・・・」
「・・・まったく。しょうがないなー」
自室に常設している、床で寝るための布団を引っ張ってきて床に敷く。
無駄かもしれないけど、もう一度ひなたに毛布と掛け布団を肩までかけてから横になった。
「だいすき・・・ みゃーねぇ・・・」
「はいはい。私も大好きだよ、ひなた」
今日は絞め技じゃなかったから意識はあるけど、みぞおちに激痛を感じる。苦しい・・・。
絞め落とされるのとどっちが楽なのかな。やっぱり締め技のほうが楽だよなぁ・・・。
今度は剣道着でも着て添い寝するかな・・・。
絞められるなら花ちゃんに絞めてもらいたいなぁ・・・ふふぇ
そんなことを考えながら、私も夜のしじまの中に意識を手放していった。
ちゃんちゃん
■ ヴァラカスサーバのわたてん!イルミネーションアート(星野姉妹の入浴シーンと就寝時のシーン) ■
ヴァラカスサーバ在住のまいちゃんさんは、生粋のイルミネーションアーティストです。
毎回公演会のシチュエーションに応じたイルミネーションアートをヴァラカスサーバにて作ってくださっています。
本記事最初にURLはご案内しておりますので、イルミネーション製作過程の記事につきましてはそちらをご覧ください。
ヴァラカスサーバにて、星野姉妹が観賞することができたようです。
また、3枚目は第一部の姫坂乃愛さんに倣って作品中央に立って全体図を大きく撮影したものとのことです。
作者のまいちゃんさんに、しっかり天使たちに見ていただけたことをご報告すべくこちらに掲載させていただきました。
素敵な作品、ありがとうございました。
※お二人がこちらのアートを観賞しにいったその日の夜、ヴァラカスサーバがダウンしました。 →
【追記】「ヴァラカス」サーバーダウンのお知らせ
まさに神懸かりなタイミングで、サーバダウン直前(約50分前)に観賞することができたことになります。
それはまるで、いたいけな天使の為に神が作りたもうた観賞時間であるかのよう。
公演会そのものだけでなく、これも「天使の祝福が顕現した瞬間」と言えるかもしれませんね。
close this window